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世界中で本格化するAI活用

これを加速する

ストレージの要件とは

あらゆる企業や組織が当たり前のようにAIを活用する時代が、もう目前まで迫っている。ここで一歩先んじるためには、AI活用のデータ基盤をいち早く整備することが重要だ。ではAI時代のストレージは、どのような要件が求められるのか。ここではデル・テクノロジーズの最新ストレージをもとに、その具体的なカタチを考えてみたい。

AI活用の本格化で大きく変わる
ストレージへの要件

生成AIの登場は、AI活用のステージを大きく前進させることになった。いまやあらゆる企業が「AI活用は避けて通れない」と認識するようになり、そのための準備を進めつつある。ここで改めて考えておきたいのがストレージである。というのもAIを効率的に活用するには、ストレージにも新たな要件が突きつけられるからだ。

生成AIをはじめとする各種AIは、トレーニングの際に膨大なコンピューティングリソースを必要とする。それに加え、大量のデータをスピーディに扱えることも重要になる。AIのトレーニングではデータの質と量が、モデルの精度に大きな影響を与えるからだ。つまり本格的なAI活用を行うには、膨大なデータをスピーディに読み出し・書き込みできるストレージが不可欠になるということになる。

こうしたニーズを満たすために、デル・テクノロジーズが新たにリリースしたストレージ製品が「Dell PowerScale F210」(以下、F210)と「Dell PowerScale F710」(以下、F710)である。

「当社はこれまでも長年にわたり、AIを意識したストレージ開発を行ってきました。既に2015年には車の自動運転支援向けにストレージを提供しており、その後もAI対応のための性能向上を続けてきました。そして2023年12月にはAIに対するビジョンの一環として、ストレージの先進機能の開発に取り組んでいることを発表。その具体的な形として、2024年2月にF210とF710をリリースしたのです」とデル・テクノロジーズの矢ヶ部 謙一氏は語る。

前者はローエンドモデルの後継、後者はミッドレンジモデルの後継となる。
なお2024年5月にはハイエンドの最新モデルもリリースされる予定だ

デル・テクノロジーズ株式会社
UDS事業本部
SE部 マネージャ
矢ヶ部 謙一氏

これらのDell PowerScaleの新製品の位置付けは、F210がローエンド製品「F200」、F710がミッドレンジ製品「F600」の後継モデルとなる。そのハードウエアの土台になっているのは、第4世代インテル® Xeon® プロセッサーを搭載した、Dell PowerEdge サーバーだ。このサーバーはさらに、速度と帯域幅が向上した最新の「DDR5」メモリーや、全世代と比較して4倍のスループットを実現した第5世代PCIeも実装。ドライブはいずれもNVMeオールフラッシュとなっている。

「当社の大きな強みは、Dell PowerScaleのようなストレージアプライアンスに、最新テクノロジーを搭載した自社サーバー製品を利用できる点にあります。これは総合ITベンダーだからこそできる優位性だと考えています」と矢ヶ部氏は話す。

デル・テクノロジーズ株式会社
UDS事業本部
SE部 マネージャ
矢ヶ部 謙一氏

2倍を超える性能を実現した
PowerScaleの最新モデル

実際、新ストレージは、製品スペックも、大きく向上している。ここからはその概要を見ていこう。

まずF210では、CPUがシングルソケットのインテル® Xeon® Silver 4410Y プロセッサー、メモリーはデュアルランクDDR5(デュアルランクはシングルランクに比べて性能が向上)のRDIMMを128GB搭載。NVMe SSDドライブを最大4基実装できる。ノードあたりの最大物理容量は61TBだ。

一方、F710は、CPUがデュアルソケットのインテル® Xeon® Gold 6442Y プロセッサー、メモリーはデュアルランクDDR5のRDIMMを512GB搭載し、NVMe SSDドライブは最大10基実装可能、ノードあたりの最大用量は307TBとなっている。

筐体は1Uのまま、前世代モデルに比べて2倍以上の性能を実現した。またノードあたりの容量密度も向上している

「いずれも筐体サイズは1Uですが、F710は前世代モデルに比べて、ノード密度が25%アップしています。またF210 では、前世代モデルに比べて2倍の容量を提供する15TBドライブを利用でき、これもノード密度の向上に貢献しています」(矢ヶ部氏)

これらの新モデルのリリースに合わせ、ストレージOSである「OneFS」もバージョン9.7をリリース。これと組み合わせることで、前世代モデルに比べてストリーミング読み取りを最大2倍、ストリーミング書き込みを最大2.2倍に高速化、高い同時性が求められるワークロードで最大2.6倍のパフォーマンスを実現できるという。

「書き込みの高速化では、新しいOneFSに搭載された『ジャーナルバイパス機能』も重要な役割を果たしています」と矢ヶ部氏は説明する。

これはストリーミング書き込み時に、L2キャッシュとジャーナルをスキップするというもの。従来のHDDを使ったストレージ製品では、HDDの書き込み速度の遅さをカバーするため、L1キャッシュに書き込んだ後にL2キャッシュを介してHDDに書き込んでいた。しかし記録メディアがNVMeフラッシュであれば、十分なスピードを確保できるため、その必要はなくなる。むしろL2キャッシュをバイパスすることで、より高速化されるという。

フラッシュに書き込む際にレベル2キャッシュをバイパスすることで、書き込み性能を高められる

そしてもう1つ注目したいのが、消費電力あたりのパフォーマンスも高めていることだ。最新のDell PowerEdge サーバーでは、「Smart Flow」と呼ばれるシャーシ技術を活用することで、筐体内のエアフローを最適化。これによってエネルギー効率を高め、この1年間で1ワットあたりのパフォーマンスを最大90%高めることに成功しているという。

クラウドで利用できるOneFSも
機能を大幅に強化

このように新しいDell PowerScaleは、容量の高密度化、2倍を超える高速化、そして極めて高いエネルギー効率を実現している。はじめからAI活用を強く意識していたからこそ、達成できた成果だといえるだろう。これらの中でも特に重要なのはパフォーマンスの向上であり、これによってAIのトレーニングをより高速に進めることが可能になる。加えて、エネルギー効率の高さも、AI活用とSDGsの達成を両立するうえで、大きな貢献を果たすことになるだろう。

しかし今回のリリースで注目したいのは、OneFSをパブリッククラウド上で利用可能にした「Dell APEX Storage for Public Cloud」も、さらに強化されている点だ。

「まずAWS上でOneFSの機能を利用できる『Dell APEX Storage for AWS』では、これまで物理容量の上限が1ペタバイトでしたが、これを1.6ペタバイトへと拡張しました。また以前は一部の機能が利用できませんでしたが、最新版ではオンプレミスと同様に、すべての機能が利用可能になっています。さらに以前は、対応インスタンスタイプの関係から東京リージョンでしか利用できませんでしたが、対応インスタンスを増やすことで大阪リージョンでも利用可能になりました。Microsoft Azureに対応した『Dell APEX Storage for Azure』も、間もなく登場する予定になっています」(矢ヶ部氏)

Dell APEX Storage for Public CloudとDell PowerScaleを組み合わせて活用すれば、オンプレミスとパブリッククラウド間にあった「データの壁」を乗り越えることが可能になる。両者の間で自由自在にデータを移動できるため、機微情報を使うAIトレーニングはオンプレミスで、そうでないAIトレーニングはパブリッククラウドで行う、といった使い分けも容易になるわけだ。

「AI活用、特に生成AIの活用では、質の高いデータをより多く集めること、それを適切に管理すること、そして集めたデータへの高速なアクセスを実現することが欠かせません。Dell PowerScaleの最新モデルとAPEX Storage for Public Cloudの組み合わせは、そのための基盤構築に大きな貢献を果たすはずです。こうした環境を使って、生成AI活用を加速していただきたい」と最後に矢ヶ部氏は語った。

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