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Title Sub Title Author Publisher Publication year Jtitle Abstract Notes Genre URL Powered by TCPDF (www.tcpdf.org) Hyperexpression of Inducible Costimulator and Its Contribution on Lamina Propria T cells in Inflammatory Bowel Disease. 炎症性腸疾患腸管粘膜内T細胞におけるlnducible costimulatorの発現亢進とその役割 佐藤, 俊朗(Sato, Toshiro) 慶應医学会 2004 慶應医学 (Journal of the Keio Medical Society). Vol.81, No.2 (2004. 6) ,p.10号外 Journal Article http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00069296-20040602 -0010 Hyperexpression of Inducible Costimulator T cells and in Inflammatory Its Contribution Bowel on Lamina Propria Disease. (炎 症 性 腸 疾 患 腸 管 粘 膜 内T細 胞 に お け るInducible costimulatorの 発 現 充 進 と そ の 役 割) 佐 藤 俊 朗 内容の要 旨 潰 瘍 性 大腸 炎(UC)・ 論 文審査 の要 旨 ク ロー ン 病(CD)に 代 表 され る炎 症 性 腸 疾 患 は腸 管 内 抗 原 に対 して 過 剰 な 免 疫 反 応 が 起 き た 結 果 、 腸 管 粘 膜 の 慢 性 持 続 性 炎 症 を 認 め る 疾 患 で あ る。 特 に 腸 管 粘 膜 内T細 胞 (LPT)の 活 性 化 が重 要 で あ る こ とが 示 唆 され て お り、 これ は 後 天 性 免 疫 不 全 症 候 群 の併 発 や 、 免 疫 抑 制 剤 で あ る サ イ ク ロ ス ポ リン の 投 与 に よ り緩 解 が 導 入 され る こ とで 裏 付 け られ て い る。T細 胞 は活 性 化 す る際 、T細 胞 受 容 体 を介 した 抗 原 刺 激 以 外 に副 刺 激 が必 要 で あ る こ とが 知 られ て い る。 今 回 著 者 は 新 規 副 刺 激 分 子 で あ るlnducible costimulator(ICOS)の 炎 症 性 腸 疾 患 腸 管 粘 膜 内T細 胞 に お け る発 現 に つ い て検 討 した。ICOSはUC・CDの 炎 症 部 腸 管粘 膜 で発 現 が 充 進 して お り、 健 常 者 の 腸 管 粘 膜 で は発 現 して い な か っ た 。 ま た 、ICOS の リガ ン ドで あ るB7hも 同様 にUC・CDの 炎 症 性 腸 疾 患(潰 瘍 性 大 腸 炎(UC)・ ク ロ ー ン病(CD))は 腸 管粘 膜 の 慢 性 持 続 性 炎 症 を 認 め る疾 患 で あ る が 、 そ の 成 因 の 一 つ と して 、腸 管粘 膜 内T細 胞(LPT)の 活 性 化 が 重 要 で あ る こ とが 示 唆 さ れ て い る。 そ こ で 申 請 者 は 新 規 副 刺 激 分 子 で あ るlnducible costimulator(ICOS)の 炎 症 性 腸 疾 患 腸 管 粘 膜 内T細 胞 に お け る発 現 に つ い て検 討 した 。ICOSはUC・CDの 炎 症 部 腸 管 粘 膜 で 発 現 がJL進 して お り、 健 常 者 の腸 管粘 膜 で は発 現 して い な か っ た。 ま た 、ICOS の リガ ン ドで あ るB7hも 同様 にUC・CDの 現 の 充 進 を 認 め た。LPTは 抗CD3抗 炎症部腸管粘膜 において発 体 、 抗ICOS抗 体 に よ り相 乗 的 に 増 殖 刺 激 効 果 を示 し、 サ イ トカイ ン産 生 はUCに お い てL5産 生能が 高 く、CDに お い てIEN一γ産 生 能 が 高 か っ た 。 ICOSは そ の リガ ン ドで あ るB7hと と も に 炎 症 性 腸 疾 患 の 炎 症 粘 膜 局 所 で 発 現 が充 進 して お 炎 症 部 腸 管 粘 膜 にお い て発 り、LPTの 増 殖 活 性 充 進 、 サ イ トカ イ ン産 生 の 誘 導 に強 く関 与 す る 現 の 充 進 を認 め た。 発 現 したICOSが 機 能 的 な 活 性 を 有 して い る か ど こ とが 示 され た 。 ま た 、ICOSは 末 梢 血T細 胞 に発 現 して お らず 、 炎 う か を確 認 す る た め、 抗CD3抗 症 粘 膜 局 所 に特 異 的 に発 現す る こ とか ら治 療 標 的 と して も非 常 に 有 体 、抗ICOS抗 し、 増 殖 活 性 を 検 討 した。 抗ICOS抗 体 に よ りLPTを 刺 激 体 はLPTに 対 して 抗CD3抗 体 と 審 査 で は 上皮 間T細 胞(IEL)のICOSと と も に相 乗 的 に増 殖 刺 激 効 果 を 示 し、粘 膜 局 所 に お け るICOSとB7h の 発 現 元 進 がLPTの 増 殖 に 関 与 し て い る こ と が 示 さ れ た。 次 に抗 ICOS抗 体 を用 い て 、 ICOS刺 激 に よ るLPTの サ イ トカ イ ン産 生 につ い て 検 討 した 。ICOS刺 激 はLPTに 対 して 、末 梢 血T細 胞 と同 様 にIL4, はCDお よび 健 常者 に比 しCD311COS刺 激 に よ るLPT のIL‑5産 生 能 が有 意 に 高 か っ た。 こ の こ とはUCがTh2‑like され て い る こ とを 裏 付 け る所 見 と考 え られ た。CDはThl diseaseと さ れ て お り、IFN‑y産 生 が 高 い こ とが 予 想 され た が 、 CD311COS刺 よ るLPTのIFN‑y産 激に ろ 、CDのLPTはucや 健 常 人 のLPTに 比 し有 意 に 高 いIFN‑y産 生 能 を 有 して い た 。CDのLPTに お い て 、 ICOSはII,‑12と と もに相 乗 的 に IFN一γ 産 生誘 導 を して い る こ とが 示 され た 。 こ の よ うに 、ICOSは そ の リガ ン ドで あ るB7hと と も に 炎 症 性 腸 疾 患 の 炎 症 粘 膜 局 所 で 発 現 が 元 進 し て お り、LPTの 増 殖 活 性 充 進 、サ イ トカ イ ン産 生 の 誘 導 に 強 く関 与 して い た。 ま た 、ICOSは が 必 要 で あ る と 回 答 した。 ま た 、UCとCDに 末 梢 血T お け るサ イ トカ イ ン 産 位 、 UCは 典 型 的 で は な い が Th2優 位 で あ り、 それ ぞれ の 疾 患 の病 態 に 関 与 して い る こ と、 ま た 、 体 に対 す る抵 抗 性 の た め炎 症 性 腸 疾 患 のLPTで は サ イ トカ イ ン産 生 が低 下 す る と回 答 した。 さ らに 、 炎 症 性 腸 疾 患 の病 態 にお け るICOSの 意 義 に つ い て 質 問 され 、 ICOSは メモ リーT細 胞 に 発 現 して お り、 炎 症 性 腸 疾 患 の 病 因 で は な く炎 症 の 結 果 と考 え られ る こ と、ICOSとB7hの 生 能 は 健 常 人 と同 等 で あ っ た 。 LPTに 対 してCD31 1COS刺 激 にII.,‑12を 加 えて 刺 激 した後 のIFN一γの 産 生 を検 討 した とこ 発 現 が充 進 す る こ と、 上皮 細 胞 のB7hは 発 現 が 弱 く活 性 が 弱 い と考 え られ る が 、機 能 解 析 炎 症 に よ る 抗CD3抗 diseaseと 上 皮 細 胞 のB7hの 発 現 に つ い て 質 問 され 、 炎 症 性 腸 疾 患 のIELもICOSの 生 の 結 果 に つ い て 質 問 され 、CDはTh1優 IL‑5, II.‑10, IFN一γの産 生 を誘 導 した が 、IL‑2の 産 生 誘 導 能 は 低 か っ た 。 ま た、UCで 用 な分 子 とな り うる こ とが示 唆 され た。 誘 導 に よ り炎 症 の 増 悪 、維 持 に関 与 して い る 可 能 性 に つ い て 回 答 した 。 ま た 、ICOSの CD25を 発 現細 胞 は同 時 に 発 現 して い る が 、増 殖 活 性 は充 進 して お り、調 節 性T細 胞 で あ る 可 能 性 が低 い と回 答 した 。 さ ら に炎 症 性 腸 疾 患 の 活 動 性 の指 標 と して 内 視 鏡 基 準 を使 用 した 方 が よい こ と、ICOSの 発 現 の表 現 を% で は な くmean fluorescence indexを 用 い た 方 が よ い こ とを 助 言 され た。 以 上 、 本 研 究 は な お 検 討 す べ き点 が残 る も の の 、 炎 症 性 腸 疾 患 の 病 態 に お け るICOS分 子 の 重 要 性 を明 ら か に し、ICOS陽 性 細胞 を標 的 細 胞 に発 現 して お らず 、炎 症 粘 膜 局 所 に特 異 的 に 発 現 す る こ とか ら と した 新 た な治 療 法 の可 能 性 を 示 唆 した 点 で 消 化 器 病 学 上 価 値 の あ 治 療 標 的 と して も非 常 に 有 用 な 分 子 とな り うる こ と が示 唆 され た。 る優 れ た研 究 と評 価 され た。 論 文 審 査 担 当者 主査 内科 学 微生物学 ・免疫学 石川 博通 微生物学 ・免疫学 小安 重夫 学力確認担 当者: 審査委員長:石 川 博通 石井 裕正 外科 学 北 島 政樹 試 問 日 ・平成16年2月10日 一10一