磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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人間科学叢書5 終りなき現代史の課題-死と不死のシンボル体験-

2008年10月05日 | 読書日記など
『人間科学叢書5 終りなき現代史の課題
  -死と不死のシンボル体験- History and human survival』
    ロバート・J・リフトン(著)/
      小野泰博、吉松和哉(訳)/誠信書房1974年

またも、こんな本を出していたのか……。
--やれやれと……、溜息が出てしまう本でした……。



著者はユダヤ人であるという。下「」引用。

「私のヒロシマについての著述は、ユダヤ人としてのナチの迫害に対する私の関係からして、何らかの影響を受けているし、また私はそれによって、勇気づけられたと思う。そして二つの大虐殺holocaustsを比較するということが私にとっては、理の当然の知的な仕事であるとともに、避けられない個人的な仕事になるのである。
 私の政治観や世界観も大いに問題になる。それは、そうしたものの形成に大いにあずかった家族環境や知的環境の影響力と同じである。私が引き続き、左翼的な立場にあるとはいえ、あきらかに必ずしも一貫していない。たしかにいくつかの変化を経験している。しかし私は、慨していえば、急進的自由派や、急進派、それに非全体主義的な社会主義の立場などに共感を覚えている。とりわけ私の心をとらえるのは、平和と核危険の問題である。」

ヴェトナムに対しても一応、反対しているようである。下「」引用。

「私が、ヴェトナムにおけるグロテスクなアメリカの冒険に対し、私が強く反対する意味は、世界の各地で、アメリカの反革命的介入に対する昔からの非難に根をもっている。こうした地域およびその他の地区での政治的・社会的革命に対する私の共感は、それがどこで起ころうと、全体主義的なドグマに対する不信ということである程度調節されてきている。」

「原子爆弾神経症」……。下「」引用。

「他の人たちは、生涯にわたる「原子爆弾神経症」のパターンにまき込まれてしまう。彼らは衰弱し、時には寝たきりになってしまったり、たえず脈拍や身体症状に気をとられており、さまざまな心理的葛藤の表現としての症状が身にあらわれて欲しい気持が一方であり、しかも、これらの症状と死およびひん死との不安な連想にさいなまれながら、こみ入って内的バランス状態の中で生きているのである。せいぜい生存者たちは、放射線効果から果たして自分はまぬがれているのだろうかという疑惑に、たえず苦しめられているのであり、自分自身を、とりわけ傷つきやすい人間で、何かを進んでやるだけの余裕がない人間とみている。」

すべてが精神からくるのが病のようです……。


そして、以前の本で受賞した時のスピーチが掲載されていました。下「」引用。

「 付録
    一九六九年全国科学図書賞の受賞に際してのスピーチ(生の内なる死--ヒロシマの生存者
 私はこの受賞に感謝いたします。しかし、ヒロシマはいかなる賞をも許しません。ヒロシマの要求しているのはきわめてむずかしいことだが、人びとがこの現実をひるまず認めてくれることである。この認知が原子爆弾を浮けた生存者にとってはだいじなことなのである。-略-」

『ヒロシマはいかなる賞をも許しません。』
--本当にそうなんでしょうか?
被団協にノーベル平和賞を上げてください!
当然もらってもいい人たちであるとボクは考えます!

佐藤栄作がもらったのは間違いであり、返納すべきことだと私は思いますが……。








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