アフリカ

冷蔵コンテナに隠れて密航したアフガン人　「寛容な英国」変化に懸念

　「私もかつて命がけで密航してきた一人です。以前の英国は私たちを受け入れてくれました。今回のルワンダ移送は非人道的で、寛容だった英国の変化を示すものです」　全2回の第2回です。　第1回・不法入国を強制移送　経費は1日16億円　関連記事・スナク首相の対抗馬、あだ名は「ミスター規則」　1999年に英仏海

証言・中東現代史

アラファト議長がスカーフを気にしていた理由

　◇伊藤芳明（カイロ支局＝1986～89年）　アラファト議長は、バスルームの鏡に見入っていた。トレードマークの白地に黒の格子模様のクーフィーヤ（スカーフ）の右胸に垂れた部分を直している。開け放したドアの外に立つ私に気づくと、怒ったような表情を浮かべ、執務机に向かった。　ガザでの若者たちによる対イスラ

南アフリカ総選挙　名門与党、過半数割れ確定　連立交渉が本格化

　南アフリカで行われた総選挙（下院、定数400、任期5年）の開票が2日、終了した。最終結果で故マンデラ元大統領が率いた名門与党「アフリカ民族会議」（ANC）は159議席に落ち込み、1994年の民主化以来初の過半数割れが確定した。大統領を選出する下院での連立交渉が本格化する。　ラマポーザ大統領は2日、

南アフリカ与党、過半数割れ　1994年の民主化以来初、連立混迷も

　南アフリカで5月29日に行われた総選挙（下院、定数400、任期5年）は1日、99％以上の開票所で集計を終えた。与党「アフリカ民族会議」（ANC）の得票率は約40％にとどまり過半数割れが確実となった。1994年の民主化以来初めて。第1党は維持する。アパルトヘイト（人種隔離）の撤廃闘争を主導し、故マン

南ア総選挙　「マンデラ党」が過半数割れか　開票率2割で40％台

　南アフリカで29日に行われた総選挙は30日開票が進み、かつてネルソン・マンデラ氏が率いた与党アフリカ民族会議（ANC）が1994年の民主化以来初めて、国会で過半数を割る公算が大きくなった。　選挙管理委員会によると、開票率約2割の段階で、ANCの得票率は40％台前半にとどまっている。白人や混血グルー

イスラエル軍　ガザとエジプトの境界地帯全域を制圧

　イスラエル軍は29日、パレスチナ自治区ガザ地区とエジプトとの間にある約14キロ、幅約100メートルの境界地帯全域を制圧したと発表した。イスラム組織ハマスの武器の密輸を防ぐのが狙いだが、境界地帯付近での戦闘激化などを懸念するエジプトとの関係が悪化する可能性もある。　イスラエルメディアによると、イスラ

南アフリカ総選挙、投票始まる　「マンデラ党」初の過半数割れか

　5年に1度の南アフリカ総選挙の投票が29日、始まった。かつてネルソン・マンデラ氏（2013年に死去）が率い、アパルトヘイト（人種隔離）政策終了後に一貫して政権を担ってきた与党アフリカ民族会議（ANC）は支持率が低迷。民主化から30年の節目の年に、初めて国会で過半数割れする公算が大きくなっている。　

イスラエルとエジプトが銃撃戦　ラファ境界、エジプト兵1人死亡

　イスラエルメディアは27日、パレスチナ自治区ガザ地区最南部ラファのエジプトとの境界付近で、イスラエルとエジプト両軍の間で銃撃戦が発生したと報じた。エジプト軍は、兵士1人が死亡したと発表した。　イスラエル軍は「事件は調査中で、エジプト側と協議している」と発表したが、詳細は明らかになっていない。エジプ

ガザに支援物資搬入再開　イスラエル、容認もラファへの攻撃は継続

　中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」は26日、パレスチナ自治区ガザ地区南東部のケレム・シャロム検問所から、人道支援物資を積んだトラックがガザ側に入ったと報じた。イスラエル軍がガザ最南部のラファ検問所を制圧した7日以降、ガザでは物資の搬入が滞っていた。　ロイター通信などによると、26日は燃料を含む物資

イスラエルに「事実上の停戦命令」　南アフリカ、ICJの決定歓迎

　イスラエルに対し、パレスチナ自治区ガザ地区の最南部ラファへの攻撃停止を命じた国際司法裁判所（ICJ）の暫定措置命令を受け、提訴した南アフリカのほか中東諸国から24日、歓迎の声が上がった。だが、ICJの命令には強制力がなく、イスラエルが従わない可能性は高い。国連安全保障理事会の行動を求める声も強まっ

南アフリカ総選挙　「マンデラ党」が初の過半数割れか　29日投開票

　南アフリカの総選挙が29日、投開票される。かつてネルソン・マンデラ氏（2013年に死去）が率い、アパルトヘイト（人種隔離）終了後に一貫して政権を担ってきた与党アフリカ民族会議（ANC）は支持率が低迷。民主化から30年の節目の年に、初めて国会で過半数割れする公算が大きくなっている。　仏調査会社「イプ

文字通り「真っ暗」　マンデラ党政権下の南ア、汚職で深刻な電力不足

　5月29日投開票の南アフリカ総選挙では、世界的な尊敬を集めたネルソン・マンデラ氏（2013年に死去）が率いた与党アフリカ民族会議（ANC）が、民主化後30年にして初めて国会で過半数割れする可能性が高まっている。国民はANCの汚職体質や実務能力の低さに不満を募らせている。その象徴的な問題が、深刻な電

米がケニアを同盟国に指定へ　中国・ロシアのアフリカ進出に対抗

　米国のバイデン大統領は23日、首都ワシントンで国賓として招いたケニアのルト大統領と会談した。バイデン氏は会談後、ケニアを同盟国に指定する方針を表明。アフリカではロシアや中国が影響力を拡大しており、米国は安全保障や経済の面でケニアとの関係を強化し、アフリカ外交の拠点の一つとしたい考えだ。　ケニアが指

権威の根拠は「神」ではなく「人民」に　イスラム哲学者の体制批判

　今年はイラン革命から45年だ。今日の中東情勢はこの革命に大きな影響を受けているが、革命のありようも中東では前例のないものだった。　戦後、中東では多く革命と称するものが起きたが、大別すると二つ。1952年のエジプトのように、軍の一部に率いられた事実上のクーデター。それと2011年の「アラブの春」のよ

愛媛とモザンビークの絆　ホストタウンの中高生、元パラ選手招くCF

　アフリカ・モザンビークから元パラリンピック選手を招き、さらに友好を深めよう――。2021年に東京で開かれたパラリンピックで同国のホストタウンを務めた松山市の中高生を主体とした非政府組織（NGO）「ブリッジ・オブ・フレンドシップ」（Bof）が、視覚障害がある元選手の渡航費などを募るクラウドファンディ

駐留米軍の撤収、9月までに完了　ニジェールと合意

　米国防総省は19日、西アフリカ・ニジェールと、駐留米軍の撤収を9月15日までに完了するとの合意に達したと発表した。撤収は既に始まっている。双方は撤収期間中の米兵の安全確保も確認した。約1000人の米兵が駐留するテロ対策の拠点だったため、バイデン政権には打撃となる。　ニジェールは昨年7月のクーデター

イラン副大統領「ヘリ乗組員と連絡」　ライシ師ら安否は依然不明

　イランのマンスーリ副大統領は19日、地元メディアに対し、アゼルバイジャンとの国境付近で「不時着」したイランのライシ大統領を乗せたヘリコプターの乗組員らと連絡が取れたと明らかにした。米CNNテレビが報じた。ただ、ライシ師や同乗していたアブドラヒアン外相の安否は依然として分かっていない。　報道によると

アフリカで今も続く「植民地通貨」CFAフラン　その是非とは

　経済発展の基盤か、それとも阻害要因か――。　アフリカ14カ国で使われている通貨「CFA（セーファー）フラン」を巡り、地元で激しい議論が続いている。旧宗主国のフランスが管理に深く関与し、為替もユーロ（以前は仏フラン）との固定制。まるで韓国や台湾が「円」を使っているようなもので、「帝国主義の象徴」との

ガザ市民の日記

ガザを出るには「1人5000ドル」　長男は脱出し、家族は残された

　パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスは5月上旬、仲介国から提示された休戦案を受け入れた。だが、住民が喜んだのもつかの間だった。イスラエルは戦闘を継続し、最南部ラファで軍事作戦を開始した。ラファに滞在する高校教師、アシュラフ・ソラーニさん（48）の一家も、新たな避難を余儀なくされた。【構成・

ガザ人道危機　イスラエルが「責任転嫁」?　いらだつエジプト

　パレスチナ自治区ガザ地区の戦闘を巡り、隣国エジプトがイスラエルへのいらだちを強めている。人道危機が悪化の一途をたどり、境界沿いの緊張が高まっているからだ。14日にはイスラエルの政権幹部から、ガザの人道危機をエジプトに「責任転嫁」するような発言も飛び出した。イスラエル軍のラファ侵攻が拡大すれば、両国