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路線バス廃止、大都市周辺でも 財源確保、国の責任で=玉木達也(大阪社会部)

金剛バスの運行最終日には、地元住民たちが運転手にサプライズで花束を贈った=大阪府富田林市甘南備で2023年12月20日、玉木達也撮影
金剛バスの運行最終日には、地元住民たちが運転手にサプライズで花束を贈った=大阪府富田林市甘南備で2023年12月20日、玉木達也撮影

 「年間延べ100万人以上が利用する路線バスが3カ月後に廃止になる。後継バスは未定」。大阪府南部を走る金剛バス廃止の情報に接した時、大都市周辺部でも公共交通の維持が危機的状況に陥っていることを痛感した。あれから半年。運転手不足対策や代替交通手段の議論が盛んになったが、この間の取材を通じ、私は公共交通をめぐる「財源」と「計画」のあり方に改善が必要だと考えている。

 これまでの経緯と現状を振り返りたい。大阪府富田林(とんだばやし)市と河南(かなん)町、太子町、千早赤阪村を走る金剛バスの廃止は2023年9月11日、運行する金剛自動車(本社・富田林市)がホームページなどで発表。運転手不足と売り上げの低迷などを理由に、12月20日をもってバス事業を廃止することを決定したとあった。

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