関西物流改善事例
発表会2023現場改善からサステナブルな物流を目指す

本イベントは終了しました。

開催結果

会期

2023年9月20日(水)9:30~17:15

会場

会 場:アートホテル大阪ベイタワー アートグランドボールルーム(大阪市港区)
オンライン:Zoomウェビナー

開催形式

会場参加・オンライン参加の選択形式

企画・運営

関西物流改善事例発表会2023 実行委員会

目的

経営環境が目まぐるしく変化する産業界において、重要性が高まっているサプライチェーンマネジメント、ロジスティクスを効果的に機能させ、企業価値を高めるためには、経営その他の環境変化に柔軟に対応し、現場が自発的に率先して考え改善する「物流の現場力」の強化が欠かせない。
関西物流改善事例発表会2023は、物流改善の発表を通じ、顧客サービス、物流品質、生産性の向上、物流の高度化および労働力不足の解決の手がかりやヒントを参加者と発表者で共有することで、物流改善活動の更なる活性化を促進することを目的に開催する。

総参加者数

212名(会場・オンライン参加の合計)

関西物流改善事例発表会2023 開催風景 関西物流改善事例発表会2023 開催風景

プログラム

※諸事情によりプログラムが変更になる場合がございます。ご了承ください。

2023年9月20日(水)

時間 テーマ 講演者
9:30-9:35 開会挨拶 高田 充康 氏 関西物流改善事例発表会2023 実行委員会委員長
オムロン株式会社 グローバル購買・品質・物流本部 物流統轄室
国内物流部 部長
9:35-9:50 ロジスティクスのあるべき姿
~Meta Logistics~
北條 英 氏 公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会
理事 JILS総合研究所 所長
9:50-10:15 発表1
IoTを活用した労働環境改善への取り組み
~環境改善からその先へ~
宮川 遼士 氏 クボタロジスティクス株式会社
SEQ推進部

物流業界ではトラックドライバーのみならず、倉庫内作業においても人手不足が大きな課題となっている中、人員の確保には労働環境を改善することが不可欠と考えている。当初は寒冷地での状況測定から開始し、労働環境の改善に一定の成果を上げた。当社では、このシステムを夏季の熱中症予防への活用を行うべく検討する中で、刻々と変化する作業環境をリアルタイムで把握し、関係部門と共有する事が必要と考えた。従来は温湿度データロガーからのデータ回収後の分析であったことで、事後に状況を把握する事になっていたが、LPWAネットワークを活用した体制を構築し、画面上でリアルタイムでの拠点状況把握と危険度が高まった際のメール通知の活用で拠点だけではなく、本社でも共有することが可能となり、より的確でタイムリーな指示を出せる体制となった。また、詳細Data分析を行うことで、倉庫内レイアウトの見直しとそれぞれの現場で最も効果のある対策を打つこととが可能となり、快適な作業環境の実現を通じて従業員エンゲージメントの向上に結び付ける契機となった。

10:15-10:40 発表2
チームワークで現場は変わる!!
山下 玲菜 氏 阪神ロジテム株式会社
高槻営業所

現場作業員の離職率をテーマに離職の要因分析を実施。今後の離職率減少の取組の参考とした。また、取組としては、5S活動を通じ、安全を担保し安心・安全な職場環境作りを目指した。改善活動は、社員が中心となり、現場作業員全員参加で行った。教育にも力を入れ、マニュアル動画の作成も進めた。これらの成果として、無事故668日間継続中、離職率も前年と比べ17%の減少に成功した。

休憩(20分)発表1・2の名刺交換
11:00-11:25 発表3
持続的な乾電池リサイクルを実現する物流スキームの構築
~使い終わった電池を次の電池へ~
大津 亮一 氏 パナソニック エナジー株式会社
エナジーデバイス事業部 SCM部 SCM管理課 課長

当社は、「電池から電池」へのリサイクル実現を目的として、使用済み乾電池の効率的な回収・再生に向けた実証実験を2023年6月からスタートしました。使用済み乾電池回収には、当社物流パートナーと協同し、店舗様からの回収スキームの構築に取り組みました。回収受付から包装仕様、運搬方法に至るまで、シンプルで且つ、安全・安価、低環境負荷な物流スキームを検討&改善しながら運用中です。
(発表のキーワード)
1) 乾電池回収はコストではなく「調達」であり「サービス」
2) 店舗様からの回収受付は「電話」が基本
3) 乾電池回収容器は「重さは5kg」、「金属製」、「リユース」
4) 乾電池回収と空容器のお届けは「同時に」
5)「回収データ」をマーケティングに活用
6) 回収スキームは「宝の山」

11:25-11:50 発表4
3Dシミュレーションの新技術を活用したレイアウトの最適化と出庫効率の向上
五島 優菜 氏 ワコール流通株式会社
出庫管理課 チーフ

ECビジネス拡大のためBtoBとBtoCの在庫を一元化したが、出庫効率の低下が課題となった。最適な棚レイアウトへの改善を目指して3Dシミュレーション新技術を導入。仮説・検証を繰り返した結果、少ない時間と労力で大規模なレイアウト変更を実施した。その結果、生産性は改善前 237枚/Hから改善後 277枚/Hと大きな効果をあげた。

昼休み(70分) 11:50〜12:10(20分)発表3・4の名刺交換
13:00-13:25 発表5
データサイエンスを活用した構内物流作業の適正化
松尾 潤樹 氏 株式会社アイシン
DS部

従来、工場や倉庫で働く作業員の作業状況はデータ化できず、現場改善の課題を抽出することができていなかった。そこで、現場改善の課題に気づくために、モーションキャプチャを用い作業情報を取得、取得後にAIモデルで作業分類をし、作業時間集計を実施した。これにより作業時間から他工程と比較して異常や差を見出し、現場の課題を解決を進める。

13:25-13:50 発表6
全社バックオフィス業務の人とデジタルによる共存と継続改善の取り組み
田浦 良太郎 氏 株式会社ハンナ
経営管理部 事務

2024年問題が目の前に迫っている中で、中小物流事業者として、フロント(営業、運行等)、並びにバックオフィス(請求、支払い、会計等)含めて、1人当たりの生産性を高める目的で実施。フロントからバックオフィスに至る全部署の壁を越えて、現状の業務フロー(As Is)を把握の上、人とデジタル化が共存する今後のあるべく、業務フロー(To Be)を描き、改善取り組みを加速中。具体的な成果の一例としては、共同配送部門での伝票整理業務において、当初1時間かかっていた作業を改善し15分で行えるようになり、1日当たり45分の短縮と業務の簡素化を実現した。

13:50-14:15 発表7
流通加工配置人数平準化への挑戦
平山 達基 氏 アサヒロジ株式会社
近畿圏支社吹田支店 物流課

流通加工業務であるギフトセット作業では、日々7~10アイテムの装製を行う。このアイテム数は日々変動し作業配置人員も変わるため、担当者は都度、装製計画を確認のうえ、翌日の人員配置図から最も人数を必要とするアイテムに合わせて手配を行う。日によっては人数が大きく変わるため、人員手配が煩雑となり大きな負担となっていた。これを解消するためアイテム毎の人員配置を見直し、バラつきを抑える事で人数の平準化を目指すことにした。その結果、1日あたり6名の作業員の削減に成功した。

休憩(15分)発表5~7の名刺交換
14:30-14:55 発表8
異業種(外食産業)から転職し、ほぼ0の状態から始めた改善・改革
外食産業で培った顧客視点での物流現場の意識改革
橋元 輝明 氏 株式会社オノマシン
名古屋支店 主任

外食産業から転職し、入社1年未満で倉庫の改善改革を任された。大阪物流センターで学んだ知識と外食産業で培った知識と経験をフル活用し、物流センターでの作業ミスの低減、倉庫所員の意識改革、配達ルート・業務の効率化に取り組んだ。当初、月平均20件以上あったミスを月平均3件以下まで低減。また、手空きの時間と忙しい時間のギャップをなくし作業の割り当ての効率化にも繋がった。

14:55-15:20 発表9
作業者の負荷軽減と生産性の向上を両立する作業方法の検討・実現
~作業者に優しい物流現場を目指して~
増井 秀典 氏 サカタウエアハウス株式会社
営業本部 営業開発部 担当部長

これまで荷主様毎のバラ出荷において、ピッキング、梱包した出荷箱は、荷札ラベルの情報に従い、作業者が運送会社別のパレットに手仕分け・検品(バーコード読取り)していた。今般、自社倉庫建設にあたり、コンベヤを用いた自動仕分け・検品の仕組みを導入した。作業者に優しい物流現場を目指し、出荷箱の手仕分け・検品を無くして、負荷軽減と生産性の向上を両立する作業方法を検討・実現した。その結果、約30%の歩行時間の改善(短縮)による生産性の向上(モデルケースによる試算)、および仕分け人員の削減、3名、検品人員の削減、2名を実現することができた。

15:20-15:45 発表10
エコキュートタンクの製品搬入工程までを考慮した包装改善による
輸送品質向上、環境負荷低減
~緩衝材の厚み、強度に依る保護から緩衝距離確保への設計思想の変更~
城戸 翔 氏 ダイキン工業株式会社
物流本部 物流技術センター 包装G

エコキュート(ヒートポンプ給湯器)タンクは、大きく(高さ2.2m)重く(80kg)、全国の住宅設置搬入までに、多様な物流ストレスから保護する包装設計が課題であった。過去の製品ダメージと、実際の物流工程を調査、分析し、ストレスの発生形態と製品の部位ごとに必要な緩衝性能とし、包装保護強化と紙系包装材使用量の削減による環境負荷低減を両立した。その結果、物流工程ダメージ比率の半減、包装材に関わるCO2排出量の10%削減に成功した。

15:45-15:50 各発表者に記念品贈呈  
休憩(20分)発表8~10の名刺交換
特別講演
16:10-17:10 物流業界の現在と未来
~物流DX、フィジカルインターネット、生成AI~
  • 物流業界の動向(物流需給動向、法改正、トレンド)
  • DXのポイント(デジタル化との違い、物流DXの要諦)
  • 物流業界の未来・あるべき姿
日下 瑞貴 氏 アセンド株式会社
代表取締役社長
日下 瑞貴 氏

【略歴】
早稲田大学政治学科研究科修了、PwCコンサルティング合同会社、株式会社野村総合研究所を経て、2020年3月にアセンド株式会社を創業。
専門は物流業界のIT・データ戦略、KPI設計、人事制度改革等。論文・講演・委員等の実績も多数。
論文「フィジカルインターネットによる物流課題の解決」、ヤマト総合研究所、学術論文部門受賞

17:10-17:15 閉会挨拶 生地 幹 氏 関西支部運営委員会 委員長
ダイキン工業株式会社物流本部 物流本部長

関西物流改善事例発表会2023 実行委員会 委員一覧

2023年7月1日現在・敬称略・順不同
委員長 オムロン(株) 高田 充康 グローバル購買・品質・物流本部
物流統轄室 国内物流部 部長
副委員長 間口ロジスティクス(株) 望月 彰 代表取締役
副委員長 ワコール流通(株) 堤 幸信 代表取締役社長
委員 アサヒロジ(株) 若林 秀樹 近畿圏支社 営業部長
委員 (株)エヌ・ティ・ティ・ロジスコサービス 大戸 豊 西日本マーケティング
ロジスティクスセンター センター長
委員 クボタロジスティクス(株) 安沢 大輔 総務部 部長
委員 コイズミ物流(株) 兵庫 正能 経営管理本部 新規事業開発室 室長
委員 コクヨサプライロジスティクス(株) 太期 健仁 物流本部 物流2部近畿IDC副統括所長
委員 佐川グローバルロジスティクス(株) 橋本 昌倫 営業部 関西エリア エリアマネジャー
委員 センコーグループホールディングス(株) 秋山 政泰 人材教育部長 常務理事
委員 ダイキン工業(株) 武田 重治 物流本部企画部長
委員 ダイセル物流(株) 森口 哲博 安全品質推進部 部長
委員 大和物流(株) 植松 仁志 ロジテック・オフィスサポート事業部
オフィスサポートグループ 担当課長
委員 西日本エア・ウォーター物流(株) 中原 明敏 物流事業部 内部統制部 担当部長
委員 日本通運(株) 丸山 義弘 大阪支店部長
委員 (一社)日本物流資格士会 板垣 大介 西日本委員会 西日本委員長
委員 (一社)日本物流資格士会 岸 拓磨 西日本委員会 西日本委員
委員 フジトランスポート(株) 中西 学 常務取締役(営業本部長)
委員 山村ロジスティクス(株) 桑波田 吉広 取締役 営業推進担当
委員 レンゴーロジスティクス(株) 柴田 吉政 営業本部 西部営業部 九州営業部 部長