EARPLAY 〜REBIRTH 2〜 (通常盤)(特典なし)

予め覚悟はしていたし、ライナーノーツに記されている“強い思い入れ”も読みはしましたが…やっぱりこのベストアルバムは中途半端さがどうしても拭えません。　『REBIRTH』シリーズのコンセプトである“角松の過去のベストな曲のリメイク”から逸脱した、洋楽のカヴァーが、貴重な10曲の内、2曲も占めているので、往年の洋楽通の人には或いはウケるのかも知れませんが、そうでない私の様な一般的な角松ファンには、どうしても『全然知らない人の曲』が入っている事に違和感を拭えません。『1981〜1987』の様に2枚組で20曲中に1曲入れるくらいなら許容できるのですが…。なまじベストな曲がしっかり収録されているので聴かない訳にはいかないし、聴けば途中で苦痛も味わわねばならないという…。　洋楽カヴァーがやりたいのなら、そういったコンセプトのカヴァーアルバムを別で出せば良い訳で…収録時間も57分と、まだまだ余裕があるので『東京少年少女』に収録されていた『TokyoTower』のショートバージョンでも入れてくれた方が遥かに嬉しいしベスト感があるでしょう。　バックグラウンドボーカルの女声陣は、ミュージカル系の実力派との事で、確かに音程は正確ですが太さや温かみといった要素がなく、AIボイスの様にやたら高音が耳に響いて聴きづらいです。往年の高橋ジャッキー香代子さんの様な声の方がマッチしますね。　ジャケットにも言及するなら『REBIRTH１』の様に角松らしいオシャレな感じが毎度CDを手に取る際に嬉しい。●以下、曲目の感想を…・『ICanGiveYouMyLove』『LostMyHeartInTheDark』あたりはかねてより『REBIRTH』シリーズ収録を熱望していた曲目。ライブで耳慣れた演奏そのままで、これがクリアな音質でスタジオ録音版として収録されたのは非常に嬉しく、まさに『REBIRTH』のコンセプトを反映していると思います。『ICanGiveYouMyLove』の出だし…『VoicesFromTheDaylight』などのイントロを引用するなどトリッキーですが、それこそライブ調にハイハット２発入れてズバッとスタートした方がインパクトがあってスッキリ聴けるかと。・『TakeItAway』『CrescentAventure』ドラムパターンや音源が最近の打ち込み系の曲と同じ感じなので、もう一工夫欲しかった…。・『ICan'tStopTheNight』…アレンジが秀逸で、間奏のサックスやドラムも圧巻。時代を反映してスクラッチを敢えて入れなかったのは分かりますが、アルペジエーターは走らせて欲しかったですね。・『AllIsVanity』…元の曲の完成度が非常に高いので、この辺の時代の曲はリメイクする必要はないのでは…。実際演奏がテクニカルになったのは分かりますが、違いがあまり感じられませんでした。●総括ベスト系の大前提として、角松ファンの為の選曲にしてほしいです。単純に「これぞ角松のベストナンバー」と呼べる曲目を入れるか、コンセプト通りに「過去の不出来さに対して落とし前をつける」曲にするか…。希望を述べれば、是非次回は『ファン投票で曲目決定』を！追記：CDプレイヤーで聴く際には、プログラム機能で洋楽２曲を外して全８曲のアルバムとして再生しています。ひと手間かかりますが、バランスの良いアルバムとして聴けます。