以前、コネタで音楽ジャンルを調べた際、ひとつ疑問が持ち上がったので、ここで紹介しようと思う。
その疑問とは、ズバリ「J-POP」の定義である。


みなさんは、J-POPをどのように捉えているのであろうか? メジャーレーベルからリリースされる邦楽? それとも売れてる邦楽?

私はどうかというと……、正直答えられない。自分の中でJ-POPのイメージはあるのだが、それを上手く説明できないのである。そこで、CDショップではJ-POPをどのように定義しているのか聞いてみた。

イトウミュージックシティ店長・山田一夫氏(全日本CDショップ店員組合 組合員)によると、
「J-POPという言葉が使用されてきたのは、エイベックスがクラウンレコードからの配給を止めて、単独で配給し始めた1992年頃からです。それまではJ-POPをニューミュージックと呼んで演歌や歌謡曲から差別化してきました。ですので、J-POP=10代から20代が聴く(30代までかな?)日本の流行歌で良いのではないでしょうか」

演歌や歌謡曲と若者が聴く音楽を差別化するために、ニューミュージックというジャンルが存在しており、それがJ-POPになったのではとのこと。


さらに、大手CDショップのタワーレコード株式会社にもお話を伺った。
「タワーレコードでは、1990年の心斎橋店オープンに際し、本格的に邦楽の取り扱いを開始しましたが、その際、邦楽をなんと呼ぶかと議論し、J-POPという言葉を使い始めました。当時は日本レコード協会に属するレコードメーカーから発売される商品を対象にJ-POPと呼び、それ以外をJ-Indiesと表記していました」とのこと。

要するにメジャーレーベルからの邦楽はJ-POPということにしていたらしい。しかし、時代は変わり、現在ではそのような捉えかたはしていないとか。

「現在は、メジャーメーカーの中でもインディーズが発売されることもあり、メジャー作品だけをJ-POPにカテゴライズするのが難しくなっております。
そこで、当社ではインディーズ作品もJ-POPのジャンルに組み込んでいます。また、メーカーに属していないアーティストでも卸業者を通し、流通ルートが決定したものであれば、店頭で取り扱いも行います」とタワーレコード(株)の担当者。

さらに、さまざまなタイプのアーティストが出現する近年の邦楽シーンでは、単純にJ-POPというひとつのカテゴリーだけではくくりきれなくなっているようだ。

タワーレコード(株)の広報担当はこう語る。
「タワーレコードでは、店舗裁量により、J-POPの中でも、専門性の高い分野を細かく分類する場合がございます。例えば、J-CLUB、J-HIP-HOP、J-PUNK、J-ANIME、J-REGGAE、ジャニーズ、ビジュアルといったものになります」とのこと。


山田氏のお店、イトウミュージックシティでも、J-POPを細かく分けているようだ。
「当店では、J-POP、J.レゲエ、J-テクノ、J-パンクと分けております。また、G・Sコーナー、フォークコーナー、70年~80年代アイドル、演歌、70年~80年アーティストも分けてます」とのこと。

90年代初頭、若者達がCDを探しやすいように作られたJ-POPというジャンルも、少しづつ、細分化されていっているようです。
(ドープたつま/studio woofoo)