日本にいかにしてSFという表現が広まっていったのかを、自身の体験を中心にエッセイとして綴っている作品です。
福島正実や眉村卓、手塚治虫など、レジェンドといえるそうそうたる人たちとの交流が、甘酸っぱく描かれています。
現在においても、いろいろと物議を醸す発信をしておられる著者は、この四十年位前に書かれた本でも各方面に殴りかからんばかりの物言いをしています。
されど、その物言いは子どものような正義感に溢れ、ごまかしの無い、まっすぐな意見で、しかもそれが間違っていると認識するや、きっぱりと頭を下げ、反省をする様子は、真にあっぱれな印象を受けました。原子力の兵器化反対、生活への転用賛成ととれる発言は、物事を単純化し普遍化しイデオロギーとし、反復運動をしたい人々には、許しがたい暴漢だと思いますが、知性を持って物事を相対的に見つめ、立場を明確に定めようと欲する人には、指針となる生き方のように思います。もちろん意見が同じだと言うわけではありません。
私自身は原子力発電所が絶景（昭和54年初版単行本P188）とは思いません。原子力兵器はもちろん発電も良いとは思ってません。でも無くなることによるデメリットは受け入れようと思ってます。なーに不便なのは自分だけじゃないし、国力が落ちて大国の属国になったとして、今と何が違う、と思っています。夜の闇が真の黒となり、かまどに薪をくべ、ついには獲物を解体する術を手に入れる。人口は激減し、寿命は今の半分となる。だがそこへ大国となった隣国が、言葉巧みに近寄ってくる。我が国が原子力で得た電気を分け与えようではないか。もちろんただではないが・・・・。
とまぁ、こんならちもない空想を数十年ぶりにしてみる・・・。
とにかく、懐かしい書名に出会い、星一つは不当と感じたのでレビューしてみました。癖のあるエッセイではありますが、SF黎明期を知りたい人には読み応えのある一冊と思います。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
