パナソニック「今までメーカー目線だったと反省している」

日経新聞に、パナソニックのカメラ事業の動向に関する記事が掲載されています。

パナソニック、カメラ事業正念場 動画配信に活路

  • かつて世界初のミラーレス一眼を生み出したパナソニックは、よもやのシェア低迷に悩んでいる。「今までメーカー目線だったと反省している。いつの間にか、カメラ(の製造)だけにとらわれていた」。パナソニックの豊嶋明エンターテインメント&コミュニケーション事業部長は21年12月中旬、日経ビジネスなどの取材にこう語った。
  • ミラーレス市場のうち、08年にはパナソニックが販売台数の95%を占めていた。ところが10年にはパナソニックのシェアが約38%まで低下した。現在はソニーが首位となり、キヤノン、OMデジタル、富士フイルムが続く。パナソニックは5位で8%へと下がってしまった。

mirrorless_share_bcn_2008-2020_001.jpg

  • BCNの道越一郎チーフエグゼクティブアナリストは「パナソニックが開発したマイクロフォーサーズという規格が、苦戦を招いた一因」とみる。センサーが小さいとカメラ自体も小型化しやすいが、画素数を上げにくいという難点もある。ソニーやキヤノンはより大型のセンサーで3000万~4000万台の画素数を主流にしてきた。必ずしも高画素イコール高画質ではないが、マーケティング戦略だ。
  • ルミックスの命運がかかるのは、動画機能だ。静止画で弱点にもなりかねなかったマイクロフォーサーズ規格は、「むしろ動画に向いている」(BCNの道越氏)。開発中の「GH6」も動画配信機能を強化する見込みだ。今後の動画は、旅先でも気軽に生配信したいという需要がある。機器同士がサクサクと連携できることがより重要で、通信技術について自前の開発にこだわらず「強みを持っているパートナーと組むことも考えている」(豊嶋氏)。

 

パナソニックのシェア低迷はm4/3規格が一因と述べられていますが、上記のグラフを見る限りでは同じm4/3規格を採用するOMDSがソニーやキヤノンと同程度のシェアを維持しているので、センサーサイズ以外の要因もかなりありそうですね。

パナソニックのカメラは絵作りでは非常に評価が高いですが、一方で「AFがもっと強ければ・・・」「像面位相差AFを採用して欲しい」などの声が結構あるようなので、AFの強化で訴求力はかなりアップしそうな気がします。