国際
【イスラエル・ガザ侵攻】
欧米で反イスラエルデモ拡大 「反ユダヤ」的言動を警戒する仏独
2014.8.3 23:46 (1/2ページ)
【ベルリン=宮下日出男、ワシントン=青木伸行】パレスチナ自治区ガザ情勢をめぐり、軍事作戦を展開するイスラエルへの抗議デモが欧州や米国で広がり、各国が神経をとがらせている。「反ユダヤ主義」的な言動も一部で目立つためで、フランスでは警官隊とデモ参加者の衝突にも発展。各国当局はデモの過激化を抑えようと警戒を強めている。
フランスでは2日、各地でデモが行われ、パリではアラブ系移民ら1万人超が参加し、イスラエルによるガザ地区への軍事作戦の即時停止や「ガザ解放」を要求。「イスラエルは殺人者」との非難に加え、仏政府は「イスラエル寄り」との批判の声も上がった。
イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの戦闘激化以降、デモは欧州各地で相次ぎ発生。多くは平和的デモだが、パリでは7月半ばに一部がシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)に押し入ろうとし、その後、パリ周辺のユダヤ人地区で店舗などが襲われる事態も起きた。フランスは欧州最大のユダヤ人コミュニティーを持つだけに衝撃は大きい。
7月26日のパリでのデモでは一部が警官隊と衝突、数十人が逮捕された。ユダヤ人側にも過激なグループの存在が指摘されており、当局はこうしたグループへの対処も検討中と伝えられる。
ドイツでは、7月後半にベルリンなど各地でイスラエルへの抗議デモが行われた際、一部がユダヤ人を激しくののしったほか、西部の都市ではシナゴーグへの抗議を企てたとして十数人が一時拘束された。