麻生氏をNYで迎えたトランプ氏の思惑
自民党の副総裁を務める麻生太郎元首相ですが、ニューヨークのトランプタワーでトランプ前大統領と1時間ほど会談したと自慢気に語っています。
日米関係の揺るがぬ重要性を確認した上で、アジア情勢や円安ドル高など経済問題についても、意思疎通を継続することで一致したとのこと。
とはいえ、そんな当たり前のことを確認するためにアメリカまで行くとは麻生氏も暇を持て余しているようにしか見えません。
上川外務大臣曰く「政治家の個人的な活動に過ぎず、政府は一切関与していません」。
そもそも2週間足らず前に、岸田首相がワシントンでバイデン大統領と首脳会談を行い、日米の揺るぎない同盟関係を内外にアピールしたばかりではありませんか。
11月の大統領選挙を控え、バイデン政権の幹部は「わざわざトランプに会って、日米関係の重要性をアピールするというのは、トランプ政権の復活を匂わせているようにしか思えない。バイデン大統領の顔に泥を塗るつもりか」と猛反発を引き起こしています。
「もしトラ」や「ほぼトラ」が話題になっている日本ですが、アメリカでは多くの訴訟を抱え、好き勝手な“トランプ砲”をぶっ放すトランプ前大統領の評判は今ひとつです。
もちろん、熱狂的なトランプ支持者はいますが、トランプ氏の無責任極まりない言動には辟易している有権者も多くいます。
そのことを冷静に判断すれば、トランプ氏に面談するにしても、もっと密かにパイプ作りにまい進する方が賢明だったはずです。
というのも、トランプ氏の長年の活動はウソで塗り固めたものと言えるほどで、今回も「自分は安倍晋三と昵懇の信頼関係を築いてきた。そのシンゾーの友人のアソーは大切な存在だ」と麻生氏を盛り立てていましたが、とても本心から出た言葉とは思えません。
なぜなら、トランプ氏は北朝鮮の金正恩総書記についても「彼は素晴らしい。彼とは27通もの手紙のやり取りをした。感動的な手紙ばかりだった。キムと俺は恋に落ちたも同然だ」と、耳を疑うようなお世辞を平気で語っているからです。
しかも、2016年の大統領選挙の際には、対抗馬だったヒラリー・クリントン候補の信用を失墜させるようなフェイクニュースをロシアの協力でまき散らしたことが判明。
CIAもFBIもNSAも、トランプ氏が勝ったとする選挙結果には疑念を表明し、ロシアの関与を指摘していましたが、トランプ氏はホワイトハウスに乗り込むや、そうしたアメリカの情報機関の責任者の首を全て総入れ替えしたのです。
一事が万事で、トランプ氏の人生はウソと銭勘定で彩られたもの。
麻生氏には記念品としてホワイトハウスの金色のカギをプレゼントしたトランプ氏です。
その狙いは、アメリカ国内で根深いトランプ不信感を払しょくするために「わざわざ日本の元首相が次期大統領の自分に表敬に来てくれた」と宣伝することでした。
トランプ氏は麻生氏の表敬訪問によって、「日本は俺の言うなりだ」と、改めて過剰な自信を持つことになったに違いありません。
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