TPP米国支配の真実

【政府も知らないTPPの詳細】

経済産業省は9/29発表の「平成24年度経済産業政策の課題と対応3.大市場国との経済連携の強化」の中で、「TPP交渉参加の早期判断に向けて、情報収集、地方を含めた国民への正確な情報提供、ルール面を含めた我が国産業にとっての意義などについて検討を行う」と記している。しかし現在までのところ、国民への詳細な情報提供は一切行われていない。未だ政府はTPPに関する詳細な情報を承知していないからだ。野田総理はTPP交渉参加議論について11/12.13のAPEC首脳会談までの決着を目指すと述べたが、このままではTPPの中身とは全く無関係に、米国の圧力にただ屈する形で、TPPへの参加を決めることになる。独立した民主主義国家として、あり得ない選択だ。

 

これまでの限られた情報から、TPPは全24分野と言われている。

1.主席交渉官協議2.市場アクセス(工業)3.市場アクセス(繊維・衣料品)4.市場アクセス(農業)5.原産地規制6.貿易円滑化7.SPS(衛生植物検疫措置)8.TBT(貿易の技術的障害)9.貿易救済措置10.政府調達11.知的財産権12.競争政策13.サービス(クロスボーダー)14.サービス(電気通信)15.サービス(一時入国)16.サービス(金融)17.サービス(e-commerce)18.投資19.環境20.労働21.制度的事項22.紛争解決23.協力24.横断的事項特別部会

 

なかでも特に農業、金融、また弁護士免許や医師免許の自由化、国民皆保険制度崩壊などが懸案事項として取り沙汰されている。前原誠司外務大臣(当時)は「農業は日本のGDPのわずか1.5%」と述べ、農業がTPP参加への足かせとなることに警戒感を示した。しかし食と健康の安全・安心に関わる農業、また医療分野にこそ、日本民族の存亡に関わる重大な問題が潜んでいる。

 

【遺伝子組換作物の罠】

TPPにより多国籍アグリ企業のGMO(遺伝子組換作物)が日本を席巻することになれば、安心安全で世界最高品質を目指す日本の農作物は間違いなく壊滅する。既にモンサントのGMOが侵略した世界各国の現実を見ればその事実は歴然としている。モンサントGMOは生産効率が高いとの触れ込みで導入されるが、同時にモンサントGMO以外の全ての作物を枯らす除草剤「ラウンドアップ」の併用を農家は事実上強いられる。その結果、地域の在来種は全滅することとなる。モンサントは収穫した種子の再利用に対し特許使用料(技術ライセンス料)を農家に課す。こうして農家はモンサントに支配され、特に小規模農家は破滅の危機にさらされることとなる。アルゼンチン、インド、パラグアイ、イラク、またメキシコなどの事例は、決して日本だけがその例外ではないことを強く推認させる。

 

モンサントはアルゼンチンの大地主と組み、無力な零細農家から土地を奪っていった。農民はGMO大豆の特許使用料(技術ライセンス料)を支払わなければならず、小規模農家は生き残れず、土地は大規模なGMO大豆畑に占領されていった。モンサントはこのような手口でインドやパラグアイでも小規模農家を破滅させた。

 

メキシコもまたモンサントの餌食となった国である。メキシコはGMOの栽培を禁止していたが、モンサントはNAFTA(北米自由貿易協定)によりGMOトウモロコシをメキシコに大量輸出、米政府の補助でGMOトウモロコシをメキシコで安価に販売した。その結果メキシコの農家の経営は破壊された。また在来種がGMOと予期せぬ交配をし(モンサントの意図)、在来種は汚染されていった。メキシコは、NAFTAによって多国籍アグリ企業に支配され、食糧主権を脅かされつつあるのだ。

 

一方イラクの事例も日本への大きな警鐘となるものだ。米軍に占領されたイラクは、モンサントら多国籍アグリ企業によって食糧市場を支配された。CPA(連合国暫定当局)命令37号はイラクの法人税率を一律15%に引き下げ、CPA命令39号は外資がイラクの資産(天然資源を除く)を100%保有可能にした。投資家は利益の全額をイラクから持ち出すことが出来た。CPA命令81号は植物品種の特許所有者(モンサントら多国籍GMO種子企業)に対し、向こう20年間イラクの農業でその種子の絶対的な利用権を与えた。命令81号が発せられるや否や、米国国際開発庁は農務省を通じて何千トンという米国産の「高品質、認証済み小麦種子」をイラク農民に配った。当然それはGMOであり、イラクの農民は特許を保有する種子会社と契約させられ技術ライセンス料を支払わなければならなくなった。こうして食糧生産を特許GMOへと強制的に移行させられたイラクの農民は、サダム・フセインの次にモンサントら多国籍GMO種子企業の支配下におかれることとなったのだ。

 

TPPによって日本の食糧がモンサントら多国籍アグリ企業のGMOにとって代わらない保証はどこにもない。当然モンサントは日本に対してもアルゼンチン、メキシコ、イラク等で行ったのと同様の手口で攻めてくる。小規模農家から農地をまきあげ、ラウンドアップの使用で在来種は全滅する。世界最高品質を目指す日本の農作物が、モンサントら多国籍GMO種子企業に支配されるなど決してあってはならないことだが、TPPはその可能性を大きくする。

 

しかも、GMOの人体への悪影響の懸念は払拭されていない。英国ロウェット研究所アーパド・パズタイ博士が、GMOポテトを投与し続けたラットの内臓に著しい変化が認められたことを明らかにした。また牛の成長を加速させるためにモンサントが開発したGMO成長ホルモンrBGHはIGF-1(インスリン様成長因子1)ホルモンの生成を刺激するが、イリノイ大学サミュエル・エプスタイン博士はIGF-1がガンの発生と関連していることを示す科学的証拠が積み上がっていると警告した。継続的に摂取した場合、アレルギーも含めGMOが日本人の健康を侵害し生命を脅かす可能性は、現実に十分に懸念される重大な未解決の問題なのだ。

 

【医薬品輸入規制緩和により日本は人体実験パラダイスとなる】

TPPはまた、製薬メジャー(メルク、グラクソ、ロッシュ、ノバルティス、アストラゼネカ、ファイザーなど)の新薬やワクチンが、今以上に安全性の確認のないまま日本人に大量投与される危険性もはらむ。安全性と効果が未確認の医薬品が日本人に投与されたらどうなるか。「新薬ギャップ」どころか、「治療」や「予防」とは全く逆に、日本人は製薬メジャーのモルモット(商売の道具)となり健康と生命を侵害されることとなる。

 

肺がん治療薬「イレッサ」訴訟が記憶に新しい。メーカーのアストラゼネカは、治験等で致死的間質性肺炎の情報が蓄積され死亡例があったにもかかわらず「副作用が少ない」とイレッサを誇大宣伝、厚労省は腫瘍縮小効果のみで延命効果未解明のまま超スピード承認した。結果、市販半年で180人、2年半で557人が死亡した。欧米なら製薬会社は莫大な賠償金を支払わなければならないところだが、日本では大阪地裁も東京地裁も製薬会社の責任のごく一部しか認めなかった。医薬品の賠償額が極端に低い日本は、製薬メジャーにとって「ボロ儲け」天国なのだ。

 

子宮頸がん予防のHPVワクチンもまたしかりである。グラクソ「サーバリックス」は、2007年10月にオーストラリアで承認されて以降、効果未確認のまま2009年10月日本でも承認された。その後、グラクソは大々的な誇大キャンペーンを展開。今では「内科でも接種できる」とまで宣伝。一部開業医の利益の源となっている。グラクソは子宮頸がん経験者の国会議員と連携するなどして、中高生への集団接種の公費助成を勝ち取った。2011年7月にはグラクソ「サーバリックス」から遅れること2年、メルク「ガーダシル」も日本で承認、公費助成の対象となった。

 

これらのワクチンの添付文書には「予防効果の持続期間は確立していない」と明記されている。効果未確認・研究途上のこれらのワクチンは、世界各国で複数の死亡例を含む重大な副反応が報告されている。製薬メジャーは、日本の少女をモルモットにした上に、日本政府から利益までも保証させているのである。TPPで更に医薬品輸入規制緩和がなされれば、日本は製薬メジャーにとって人体実験・ボロ儲けパラダイスとなることは明白だ。

 

また、新型インフルエンザについても検証する必要がある。特に2009年の「パンデミック」騒動は一体何だったのか。日本はグラクソとノバルティスから大量のワクチンを購入、結果その大半が未使用のまま期限切れとなった。一般的に健常人であれば2,3日寝ていれば治るのに、「特効薬」と称されたタミフルは大量投与され、投与直後の死亡例や10代以上の未成年者の異常行動例が相次いだ。タミフルは米国ギリアド社が開発し、スイスのロッシュが製造販売していた。ラムズフェルド元米国防長官がギリアド社会長であったこと、同氏が同社の株を大量に保有していたことはあまりにも有名な話だが、タミフルの売上の8割を日本が占めたという異常事実も忘れてはならない。

 

【TPPは日本落日一直線】

TPPは米国、特に米国支配階級の為の協定であることは、例えばNAFTAでメキシコの農業がモンサントなど多国籍アグリ企業によって支配され、メキシコの食糧を米国がコントロールするに至った事実からも明らかだ。TPPもNAFTA同様に相互利益を生む「協定」などという生易しいものではない。徹頭徹尾日本に対するペナルティが用意され、条項は米国から日本への事実上の「命令」であり、結果的に米国は戦争をせずして日本を無血開城させ、日本を完全コントロール下に置くということになるのだ。TPPのシナリオは、あまりにも分かりやすい。ヘンリー・キッシンジャー米国務長官(当時)の「石油を掌握(コントロール)すれば諸国の政治経済を操縦(コントロール)できる。食糧を掌握(コントロール)すれば人口を調節(コントロール)できる」の言葉が事態の本質を的確にあらわしている。まさに食糧を戦略兵器として扱うのである。

 

バイオハザードの怪物・多国籍アグリ企業「モンサント」や製薬メジャー「メルク」はロックフェラーの傘下にある。ロックフェラーがGMOをターゲットとする国に導入させ、結果的にその国を支配しようとしていることは、アルゼンチン、メキシコ、ブラジル、パラグアイ、インド、イラク、その他モンサントらが進出している途上国の現実を見れば明らかだ。ワクチンも同様の武器となっている。オバマが日本にTPP参加を強力に要求する真の理由がここにある。TPPは米国支配体制構築を一気呵成に加速させるものであり、日本は一気に階段を転げ落ちることとなる。現在の経団連会長はモンサントと戦略的協力関係を締結している住友化学会長、経済同友会代表幹事はメルクやグラクソ(ロスチャイルド傘下)と深い関係にある武田薬品社長だ。世界の支配者による日本侵略は着実に進んでいる。

 

【日本はTPPに参加すべきではない】

日本を守るために日本政府は、オバマの圧力に屈することなくTPP参加を断固拒否しなければならない。海江田経済産業大臣(当時)が推進したASEAN+6(日中韓印豪NZ)は、2011.8.14、「東アジア広域自由貿易圏」実現に向けて協議を開始することで合意した。まさにこの方向で連携していくことが日本にとっての利益であり、この上に日米・日EUのFTA・EPAを構築し、将来的にはTPPも取り込んだAPEC・WTOによる自由貿易体制へと発展させていくべきなのだ。

 

大手メディアは「TPP参加」一辺倒の報道ぶりで、日経・読売などは「アジアの成長」を取込む為にTPP参加をと、見当違いも甚だしいデタラメ記事を書いている。「アジアの成長」を取込むならASEAN+6の連携強化だ。日本の新聞なら、TPPは米国益そのもので、TPPは米国の日本支配の道具であると日本国民に向けて主張しなければおかしいが、まるで逆だ。米国はこの無知無能な日本メディアをフルに活用して、この秋のTPP決着を目論むが、民主党はなんとしてもこれを阻止しなければならない。民主党は野田政権の売国的TPP参加を断固拒否し、日本の国益の為に「ASEAN+6」を推進していくべきなのだ。

 

 

(参考資料)

・マネーハンドラー ロックフェラーの完全支配 アグリスーティカル(食糧・医療編) ウィリアム・イングドール著(2007年7月) 為清勝彦訳(2010年1月) 徳間書店 →こちら

 

・NHK・BS1「アグリビジネスの巨人モンサントの世界戦略 前篇・後編(仏2008)」

 

TPPのための米国企業連合一覧(はたともこブログ)

 

イレッサ訴訟和解勧告拒否で、外資にとって日本は人体実験パラダイスとなる(はたともこブログ)

 

子宮頸がん予防ワクチンへの疑問:重大な副作用(はたともこブログ)

 

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