医療用医薬品 : キョウベリン

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医薬品情報


総称名 キョウベリン
一般名 ベルベリン塩化物水和物
欧文一般名 Berberine Chloride Hydrate
製剤名 ベルベリン塩化物水和物製剤
薬効分類名 整腸剤
薬効分類番号 2314
KEGG DRUG
D01250 ベルベリン塩化物水和物
KEGG DGROUP
DG01773 ベルベリン
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2024年3月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
キョウベリン錠100 (後発品) Kyoberin Tablets 100 大峰堂薬品工業 2314002F2022 7.2円/錠

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある。][9.1.1参照]

4. 効能または効果

下痢症

6. 用法及び用量

ベルベリン塩化物として、通常成人1日150〜300mg(本剤1.5〜3錠)を3回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

8.1 長期・大量投与を避けること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 細菌性下痢患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。治療期間の延期をきたすおそれがある。[2.1参照]
9.5 妊婦
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
  0.1〜5%未満
消化器 便秘

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.8 その他
16.8.1 溶出挙動
キョウベリン錠100は、日本薬局方外医薬品規格第3部に定められたベルベリン塩化物水和物錠の溶出規格に適合していることが確認されている1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
総症例158例中、有効率は78.5%(124/158)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
腸内有害細菌(赤痢菌、チフス菌、ブドウ球菌、有害大腸菌など)に対して殺菌作用を示す。赤痢菌では抗生物質耐性菌に対しても有効である。腸内でインドール、スカトールなどの有害アミンの生成酵素に拮抗し、腸内腐敗・発酵を抑制する。そのほか胆汁分泌作用、腸内細菌叢を正常に保持し、腸管内の病原菌の増殖を抑える作用などが認められている2)
18.2 腸内腐敗、醗酵抑制作用
ベルベリン塩化物は腸内においてインドール、スカトール等の有害アミンの生成に関与する酵素と拮抗し、腸内の腐敗醗酵を防止する。従って便の悪臭もなくなる3)4)5)6)
18.3 蠕動抑制作用
ベルベリン塩化物は家兎摘出腸管の蠕動を抑制し、弛緩作用を示す7)
18.4 胆汁分泌作用
ベルベリンは動物実験において胆汁分泌作用を有する。ベルベリンのこの胆汁分泌作用は腸内細菌叢を正常な状態に保持し、腸管内における病原菌の増殖を抑えるものと考えられる8)9)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ベルベリン塩化物水和物

一般的名称 ベルベリン塩化物水和物
一般的名称(欧名) Berberine Chloride Hydrate
化学名 9,10-Dimethoxy-5,6-dihydro[1,3]dioxolo[4,5-g]isoquino[3,2-a]isoquinolin-7-ium chloride hydrate
分子式 C20H18ClNO4・χH2O
分子量 371.81(C20H18ClNO4
物理化学的性状 ベルベリン塩化物水和物は、黄色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがあり、味は極めて苦い。
メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
KEGG DRUG D01250

20. 取扱い上の注意

本品はロットにより錠剤の色に違いがあることもあるが、生薬原料のロット差によるものであり、有効性、安全性に問題はない。

22. 包装

100錠[10錠(PTP)×10]
500錠[10錠(PTP)×10×5]
1,000錠[10錠(PTP)×10×10]

23. 主要文献

  1. 大峰堂薬品工業(株)社内資料
  2. 第17改正日本薬局方解説書, C-5071-5075 , (2017), (廣川書店)
  3. Shigeaki Kuwano et al., Chem.Pharm.Bull., 8, 491-496, (1960)
  4. Shigeaki Kuwano et al., Chem.Pharm.Bull., 8, 497-503, (1960)
  5. Shigeaki Kuwano et al., Chem.Pharm.Bull., 9, 651-653, (1961)
  6. 桑野 重昭, 漢方研究, 107, 106-115, (1964)
  7. 阿南 新二, 長崎医学会雑誌, 5, 243-261, (1927)
  8. 川谷 豊彦, 薬局の領域, 12, 23-26, (1963)
  9. Susumu Oshiba et al., Nihon Univ.J.Med., 16, 69-79, (1974)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日本化薬株式会社 医薬品情報センター
〒100-0005 東京都千代田区丸の内二丁目1番1号
電話:0120-505-282
製品情報問い合わせ先
日本化薬株式会社 医薬品情報センター
〒100-0005 東京都千代田区丸の内二丁目1番1号
電話:0120-505-282

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
大峰堂薬品工業株式会社
奈良県大和高田市根成柿574番地
26.2 発売元
日本化薬株式会社
東京都千代田区丸の内二丁目1番1号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2024/04/17 版