今回のテーマ

-ハイブリッド車っていいですか?-

トヨタのハイブリッド車生産が累計100万台をわずか10年で突破した
今ではセダン、ミニバン、SUVとボディタイプは拡大し、中古車も豊富に流通している
そろそろ特別な車ではなくなってきたハイブリッド車
ホントに良いのかをオーナーでもある評論家2人に聞いてみましょう
国沢光宏

プリウスは完璧で文句なし
ほかの車は100点はつけがたい


国沢光宏さん●自動車評論家
●くにさわ みつひろ
収入の大半を車とスキーにつぎ込み
現在、現行型のプリウスを所有する走りにこだわる自動車評論家

「いいですか?」というレベルじゃありません。プリウスに限って言えば、カンペキであります。なんたってメチャクチャ燃費が良い。夏場、東京都内の渋滞をエアコン利かせながらノソノソ動き回ってリッター18㎞(これが事実上の最低燃費)。箱根で試乗会などある時は、自宅から渋滞路20㎞+高速道路150㎞+キツいアップダウンのある山道を50㎞走ってリッター当たり22㎞というイメージ。満タンで1000㎞以上走ることも珍しくありません。ガソリン高騰の中、プリウスに乗っている人だけはそれほど厳しさを感じていないのではと思う。

 それでいてドライビングプレジャーをキッチリもっている。モーター走行モードは、プリウス歴10年(初代プリウスを含め3台目です)になる私でさえいまだ新鮮に感じるし、スタートダッシュの良さときたら2Lのガソリンエンジン車より優勢。遅いと思っている人も多いようだけれど、絶対的な動力性能は現行モデルから全く不満のないレベルになった。意外かもしれないが、ハンドリングなんか積極的に褒めたいくらい。自動車としての資質だって文句なし! 大人4人がユッタリ座れ、ロングドライブも余裕。以上、プリウスについて。これがハリアーやエスティマ、レクサスGS、シビックあたりになってくると、100点をつけがたくなってくる。ホンダ式や、トヨタ式であってもヘビー級のハイブ
リッドになると、バッテリー充電能力の問題により、回生制動の利きが十分じゃない。確かに普通のミニバンやSUV、大型セダンと比べれば燃費良好。ただプリウスのような圧倒的な燃費の良さは感じないかも。ハイブリッドのインテリジェンスって「6畳の快適なリビングルーム+超省電力エアコン」であって「20畳の豪勢なリビングルーム+超省電力エアコン」じゃないと思う。