▲2019年3月に新型が登場し、“2つ前”のモデルとなってしまったE90型3シリーズ。2つ前というと少し古さを感じるかもしれませんが、BMW伝統の直6エンジンを味わいたい人にはオススメできるモデルなのです! ▲2019年3月に新型が登場し、“2つ前”のモデルとなってしまったE90型3シリーズ。2つ前というと少し古さを感じるかもしれませんが、BMW伝統の直6エンジンを味わいたい人にはオススメできるモデルなのです!

最新モデルはやっぱりすごい、でも直6も恋しい

2019年3月に、BMWの看板モデルである3シリーズがフルモデルチェンジを受け、最新モデルとなるG20型が登場しました。

この最新モデルは、1975年に登場した初代3シリーズからBMWの基本となる哲学を踏襲しつつも、最新技術がふんだんに盛り込まれたモデルとなっています。

例えば、日本で初搭載となる3眼カメラが標準装備され、安全性や快適性がさらに高まっていたり、AI機能の搭載により「OK、BMW」と呼びかけることで、車両情報やカーナビゲーションにアクセスすることが可能に。

そして、BMWを語るうえで外すことができないのが「エンジン」ですが、今回導入されたのは、すべて2L 直4ターボエンジン搭載モデル。

上位グレードの330iでは、最高出力258ps、WLTCモード燃費13.2kmとハイパワーながら燃費性能も優秀。

様々な有識者の感想を見てみると、「安全も走りも高次元で、さすがはBMW!」といったようなコメントが多く、完成度の高さがうかがえます。

▲こちらが最新モデルとなるG20型。キドニーグリルなどのBMWらしさは残しつつ、ヘッドライトの意匠やプレスラインなどしっかりと現代風に仕上げられています。もちろん3シリーズならではのスポーティさは健在です ▲こちらが最新モデルとなるG20型。キドニーグリルなどのBMWらしさは残しつつ、ヘッドライトの意匠やプレスラインなどしっかりと現代風に仕上げられています。もちろん3シリーズならではのスポーティさは健在です

一方で、BMW伝統の直6エンジンが恋しい! と感じる人もいるでしょう。

言わずもがな、BMWの直6エンジンといえばその繊細でなめらかなフィーリングから、「シルキーシックス」の名称で、今でも多くのファンが存在。かくいう私もファンの一人です。

そんな人たちにオススメしたいのが、先々代となるE90型(2005年4月~2011年12月生産)!

今はなき直6 NA、そしてハイパワー版の直6ターボエンジンモデルが存在する世代です。

ちなみに、先代のF30型の340i系とアクティブハイブリッド3というモーター搭載モデルにも直6は搭載されていますが、340i系は原稿執筆時点で流通台数がたったの3台……。中古車平均価格も約450万円とお高め……。アクティブハイブリッド3は、内燃機関の純粋なフィーリングを味わうには適さない……ということで、現時点ではE90型の方が断然オススメなのです。

何よりNAに限ってはE90型が現状最後のモデル!!

というわけで、今回はE90型の直6モデルにスポットを当ててみたいと思います。

▲多くの人をとりこにしてきたBMWの直6エンジン。ただでさえ振動が少なくスムーズな直6ですが、低回転からしっかりと力を発揮し、高回転まで気持ちよい音とともに回るBMW製のエンジンはやっぱり魅力的です ▲多くの人をとりこにしてきたBMWの直6エンジン。ただでさえ振動が少なくスムーズな直6ですが、低回転からしっかりと力を発揮し、高回転まで気持ちよい音とともに回るBMW製のエンジンはやっぱり魅力的です

NAなら100万円前後、ターボ搭載の最上級モデルでも100万円台半ばから

E90型は2005年4月に登場したスポーティセダンです。先代のE46型に比べボディサイズが大きくなり、コンパクトセダンからアッパーミドルクラスに位置するようになりました。

エンジンは2Lの直4と2.5Lと3Lの直6。定評あるエンジン技術であるバルブトロニックを全車に採用し、さらに直6には量産車初のマグネシウム合金が使われ話題に。

具体的にE90型の中古車の状況を見てみましょう。

今回注目する直6エンジンが搭載されるモデルの概要と、大まかな中古車価格と掲載台数は以下のようなイメージです。

・325i系(2005年4月~2011年12月)
総額:40~200万円くらい
掲載台数:約50台
登場時には2.5L直6 NAエンジンを搭載していたが、2010年モデル(いわゆる最終型)より排気量が3Lに拡大された


・323i系(2006年9月~2008年10月)
総額:40~120万円くらい
掲載台数:約70台
325iの廉価版。同じ2.5L直6 NAエンジンを搭載するが、出力が低く抑えられている。2008年のマイナーチェンジのタイミングで廃止される


・330i系(2005年4月~2006年8月)
総額:60~130万円くらい
掲載台数:約10台
3L直6 NAエンジンを搭載するモデル。2008年のマイナーチェンジのタイミングで廃止される


・335i系(2005年4月~2011年12月)
総額:100~220万円くらい
掲載台数:約20台
ハイパワーな3L直6 ツインターボエンジンを搭載した、新車時価格700万円を超える最上位モデル。左右出しのマフラーなど、見た目も他のグレードと大きく異なる


※すべて2019年5月16日現在のデータ

かなりざっくりしていますが、以上のような感じです。

▲登場から10年以上が経過した初期型モデル。ボディの大型化には賛否両論ありましたが、BMWならではのスポーティな走りはしっかりと継承されていました ▲登場から10年以上が経過した初期型モデル。ボディの大型化には賛否両論ありましたが、BMWならではのスポーティな走りはしっかりと継承されていました
▲こちらは2008年以降のマイナーチェンジモデル。グリルやヘッドライトデザインの変更やテールランプのLED化などとともに、搭載されるエンジンも変更・改良されました ▲こちらは2008年以降のマイナーチェンジモデル。グリルやヘッドライトデザインの変更やテールランプのLED化などとともに、搭載されるエンジンも変更・改良されました
▲335i系のモデルは左右から太いマフラーが出ており、他のグレードとは見た目も大きく異なります。もちろんサウンドも図太く大き目なスポーティなものになっています ▲335i系のモデルは左右から太いマフラーが出ており、他のグレードとは見た目も大きく異なります。もちろんサウンドも図太く大き目なスポーティなものになっています

掲載台数的には、323i系または325i系が直6を狙ううえでのメインターゲットになってきます。

特に325i系は、総額100万円台前半でモデル末期の最終型物件も見つけることができ、バリューが高め。

注目は直6ターボを搭載する最上級グレードの335i系!

100万円台半ばから狙える物件が出ているのです。

しかも、「走行距離10万km以上の修復歴あり」といったような、物件ではなく、あくまでもフツーの車歴をたどってきたような物件が、です。(具体的には2010年式、走行距離6万kmで総額150万円前後といった状況)

もちろんハイパワーでNAよりも気を使うエンジンであるため、過去のメンテナンス状況はしっかり確認する必要があるでしょう。しかし、ターボで武装した大排気量の直6エンジンは、滑らかさに加え過剰なほどの力強い加速をしてくれ、一度味わったら病みつきになること間違いなし!

ダウンサイジングが主流となり、環境にやさしい車作りが求められる今、新たにNA、ターボ問わず、このようなモデルがバンバン発売されるという可能性は極めて少ないです。

そんな状況の中、このE90系直6エンジン搭載モデルは、コンディションと価格のバランス的に、最もおいしい時期に突入しているタイミングといえます。

「とはいっても、8年以上も経つとやっぱり古くさく感じる」
「直6でも安全装備が少ないのはちょっと……」

などとお考えの方には、正直オススメしません。

しかし、直6エンジンの魅力に取り付かれている方や、気軽にシルキーシックスを味わってみたいという方には、今こそE90型 3シリーズに注目していただければと思います!

▲ぜひBMW製の直6エンジンを味わってみてください! 一度乗ったらきっとハマるはずです! ▲ぜひBMW製の直6エンジンを味わってみてください! 一度乗ったらきっとハマるはずです!
文/編集部 神崎洋平、写真/BMW、尾形和美

▼検索条件

BMW 3シリーズ(E90型)×直6エンジン搭載×全国