サバがマグロを生む、注目の代理母研究とは

2007年に「ニジマスしか産まない代理ヤマメ」をアメリカの科学誌「Science」で発表して世界から注目を集めた、東京海洋大学の吉崎悟朗准教授。彼の研究は今、次のステップへと差し掛かっている。それはサバを代理の父・母として、クロマグロを産ませるというもの。この研究の成功は、水産資源保護の観点からクロマグロの漁獲量を制限し始めた日本の漁業にとって、大きな希望となる。

日経電子版によると、吉崎准教授の研究は早ければ今年の夏、大きな一歩を踏み出す予定だという。

東京海洋大学の吉崎悟朗教授らは、クロマグロの卵と精子になる生殖細胞をサバに移植する実験に成功した。今夏にも産卵して交配が可能になり、マグロの稚魚が誕生する見込みだという。絶滅危惧種に指定されたクロマグロを養殖して安定的に供給できる技術として実用化を目指す。

引用元 日経電子版:
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGG21H0W_U5A120C1MM0000/

2002年に完全養殖に成功して一躍有名となった近代マグロに見られるように、日本の養殖技術も進歩している。しかしクロマグロは本来、成魚となるまで5年もかかる上、体長は2m近くまで巨大化する。つまり完全養殖には、それだけの年数におよぶ徹底した管理と巨大な施設が必要となってくるのだ。

そこで吉崎准教授は、マグロと同じスズキ目・サバ科に属するサバに注目。1年ほどで成魚となり、体長は数十センチと飼育しやすいサバに、クロマグロの生殖細胞を移植することに挑戦したのだ。すでに移植は成功しており、この夏の産卵と交配で、マグロの稚魚がサバから生まれるかもしれない。柔軟な発想から生まれた壮大な研究の裏話は、吉崎准教授の著書「サバからマグロが産まれる!?」(岩波科学ライブラリー刊)で知ることができる。

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