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マイケル記録ずくめ 「最も成功」ギネスが認定

2009年7月2日

 50歳の若さで突然この世を去ったマイケル・ジャクソンは、記録の上でも異例ずくめの存在だった。キング・オブ・ポップと呼ばれた希代のエンターテイナーの足跡をデータでたどる。

■総売り上げ7億5千万枚

 アルバム、シングル、DVDなどの総売り上げ枚数は、7億5千万枚。世界記録を認定するギネス・ワールド・レコーズが「人類史上最も成功したエンターテイナー」とした彼の音楽人生は、兄4人とともに結成したジャクソン5で始まる。

 69年、モータウンレコードからのデビューシングル「帰ってほしいの」でチャートの1位に。当時11歳。「全米シングルチャートで首位を獲得した最年少ボーカリスト」としてその名を刻むことになる。続く70年の「ABC」では、ビートルズの「レット・イット・ビー」からチャートの首位を奪う。

 このモータウン時代にソロデビューし、4枚のアルバムを残す。が、ソロとして羽ばたくのは、エピックレコード移籍後の初アルバム「オフ・ザ・ウォール」(79年)から。エピックに残した6枚のオリジナルアルバムの売れ行きは破格だ。

■「スリラー」偉業達成

 中でも「スリラー」(82年)は、全世界で1億500万枚を売り上げ、「人類史上最大のセールス」を記録。全9曲中、「ビリー・ジーン」「今夜はビート・イット」など7曲がシングルとして大ヒットした。

 また、シングル「スリラー」のミュージックビデオもスケールの大きさで話題になった。当時の平均的な制作費は一本当たり約1千万円。しかし、映画「ブルース・ブラザース」で成功したジョン・ランディス監督を起用したこの作品には約2億円が投じられ、短編映画並みの14分に及ぶ大作となった。84年のグラミー賞では、アルバム、レコードの主要賞のほか、R&B楽曲、男性ボーカル(ポップ、R&B、ロック)、プロデューサー、さらには映画「E.T.」関連作品で児童向けナレーションの計8冠に輝いた。

■5曲連続で1位に

 87年の「バッド」も「5曲連続ナンバー1シングルを生んだ史上初で唯一のアルバム」となった。95年のアルバム「ヒストリー」の「ユー・アー・ナット・アローン」は、「ビルボード史上初の全米シングルチャート初登場1位」という偉業も達成した。

 最後のオリジナルアルバムを出して以降、スキャンダルで注目が集まったマイケル。再起を期して、今月から始まる予定だったロンドン公演「THIS IS IT」は全50ステージ、110万枚ものチケットが5時間で完売。スーパースターの輝きを人々の心に残していった。

■死去後に注文殺到 30万枚超

 マイケルのソロ作品を扱うソニー・ミュージックには、CD、DVDの注文が殺到し、6月30日時点で計35万枚に達しているという。

 注文が最多なのは日本ファンの投票によるベスト盤「キング・オブ・ポップ」(08年)。DVDの「ビデオ・グレイテスト・ヒッツ」(05年)、「ライヴ・イン・ブカレスト」(05年)にも人気が集まっているという。「ダンスも含めたパフォーマンスが魅力の彼らしく、映像で見たいという需要が特に強い」と同社。

 同社はロンドン公演にあわせ、8日に「オフ・ザ・ウォール」「スリラー」などソロ名義の5タイトル、ジャクソン5からメンバーが交代したザ・ジャクソンズ名義の6タイトルを、初の紙ジャケット仕様で限定発売することを決めていたが、当初の予定より増産する方針だ。(西正之)

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