安倍晋三元首相が銃撃され死去した事件を受け、世界平和統一聖殿日本本部(略称・日本サンクチュアリ協会)が10日までに、公式ホームページで声明を発表した。

 声明は「安倍晋三元首相狙撃事件に関する声明文」と題し、「まず、最初に安倍晋三元首相の御逝去に接し、心からの哀悼を捧げます」と安倍氏に弔意を表した。

 安倍氏を襲撃した山上徹也容疑者は、特定の宗教団体の名を挙げ「母親が信者で、恨む気持ちがあった」などと供述しているが、この宗教団体が「世界平和統一家庭連合(家庭連合)」で、その分派に所属していたと一部で報道されている。

 同本部は「当協会の教会長たちに多数のマスコミが質問をして参りましたし、甚だ迷惑な報道も拡散されていますので、ここに声明文を送ります」と主張した上で、日本サンクチュアリ協会総会長・江利川安栄氏の名前で、以下のように見解を示した。

 ①日本サンクチュアリ協会は、山上徹也容疑者と接点も関係も一切ありません。また、同容疑者は過去にも当協会集会等への参加記録等も一切ございません。さらに、山上容疑者の世界平和統一家庭連合の分派への所属を当サンクチュアリ協会と決めつけていますが、一切根拠のある情報ではなく、マスコミやその他の推測記事や悪意ある印象操作によるものと断じ撤回を求めます。

 ②また、山上容疑者の母親が宗教団体に献金を捧げて来たとの報道ですが、当日本サンクチュアリ協会では、一円たりとも献金をいただいた事実はありません。

 ③安倍元首相との当協会の関係ですが、そもそも、私どもは自由と正義、平和を愛する日本国民として、安倍晋三元首相を尊敬し、多くの政策を支持し、応援をして参りましたのは事実ですが、2015年3月1日設立の歴史の浅い当協会が、安倍元首相から祝電をいただくとか、集会に来ていただくとか何かをして頂いたという事実は一切ございません。山上容疑者の安倍元首相狙撃事件は、ショックであり、ただただ御冥福を祈るのみです。

 ④また、当協会の銃に対する考え方に対しても、マスコミは先入観をもって、多くの誤解を招く論議を拡大しておりますが、アメリカに本部を置く当協会においては、そのアメリカ合衆国憲法修正2条に認められた自由と安全を守るために銃を保持することは重大な権利となっていることを知っております。当協会は日本国憲法の下で法を遵守し、違法行為を行っているということは、一切ありません。銃による山上容疑者の犯罪と当サンクチュアリ協会を結びつける悪なる意図をもった一切の行為に関して謝罪を求め、撤回を願います。

 世界平和統一聖殿日本本部(略称・日本サンクチュアリ協会)は、世界平和統一家庭連合(旧名称は世界基督教統一神霊協会=統一教会)の分派で本部は米国にある。